《まち歩き・里歩き》スタート 南町緑地(前橋市南町) 水と緑 感じる県都 

上毛新聞
2015年10月15日

前橋市は「水と緑と詩(うた)のまち」とうたわれるように、川の美しい流れや豊かな緑、歴史ある文化が残る。県都の玄関口、JR前橋駅近くの南町緑地を起点に、秋の爽やかな風を感じながら歩いた。

日本庭園風の造りをしている緑地は木々が生い茂り、穏やかな雰囲気。ケヤキやイロハモミジなど紅葉が楽しめる広葉樹が多く、これからの時季の散策にぴったり。足元にシラカシやコナラのドングリがたくさん落ちていた。
30年以上前から、芸術文化に親しむ場として市民に愛されてきた前橋市民文化会館。利用者を迎えるロビーの「市民プラザ」は、天井から巨大なオブジェがつり下げられている。稲荷(いなり)と人間の深いつながりをイメージしているといい、無数のキツネの顔で形作られている。
プラザには、富岡市生まれで文化勲章を受章した画家、福沢一郎さん(1898~1992年)の壁画「上毛野国(かみつけのくに)」(縦3・1メートル、横11・7メートル)もある。馬に乗った武士のパレードや農民の舞が描かれており、その迫力に絵の世界に引き込まれそうになる。

前橋刑務所の外壁とそれを囲む堀は、120年以上の歴史がある近代化遺産だ。規則正しく積み上げられた赤れんがの塀は全国でも珍しく、映画やドラマの撮影スポットとしても知られる。周辺は前橋市の詩人、萩原朔太郎(1886~1942年)の作品「監獄裏の林」の舞台でもある。刑務所北側は受刑者が作った製品の常設展示場があり、革製の小銭入れやスマホケース、木製の靴べらなどを販売している。17日は同刑務所で「前橋矯正展」があり、全国の刑務所作業製品を販売するほか、施設の見学もできる。
刑務所南側に、きれいに整備された南町公園があった。3・3ヘクタールの広い園内はジョギングコースが整備され、トレーニングや犬の散歩をする人が集う。コース内の利根川沿いは30本以上のサクラの木が植えられており、トンネルのようになっていた。
利根川近くにある水神社は、住宅や店が並ぶエリアにひっそりとたたずむ。近くの林茂隆さん(74)=写真=が「1888(明治21)年にここに建てられ、水難から住民を守る神としてあがめてきた」と教えてくれた。毎年7月、水難防止と無病息災を祈願する祭りが開かれている。
ワイヤで支えられたつり橋、平成大橋の欄干は、市の花や木であるバラ、イチョウなどがデザインされている。橋の四隅には、前橋三大祭りの初市、七夕まつり、前橋まつりと、前橋花火大会がモチーフのプレートがあった。
橋の途中で立ち止まり、利根川の流れる音を聞きながら目線を上に移すと、県庁や赤城山が望めた。市内各所から雄大な自然の眺めを楽しめるのだと、あらためて気付いた。
(文化生活部 大橋周平)

【コースの特徴】
平たんな3.5キロ。歩いたコースは、交通量が多いため車に注意を。

【寄り道したら】Donkey こだわりパン100種
今月で30周年を迎えたパン店「Donkey(ドンキー)」(前橋市南町)は、自家製酵母の食パンや季節のフルーツを使ったスコーンなどこだわりの100種類以上が並ぶ。「いつでも焼きたてがあるように」(関口一幸店長)と時間を区切り、少量ずつ焼いている。
最も焼く回数の多いのはクリームパン(162円)。かぶりつくと甘みの強い「那須御用卵(なすごようらん)」を使ったカスタードが口いっぱいに広がる。人気のショコラナッツ(236円)はオーツ麦などを使った生地に、チョコチップやオレンジピール、クルミなどを混ぜ込んでいる。表面はカリカリで、中はもっちりとした食感が楽しめる。
午前10時~午後8時。月曜定休。問い合わせは同店(☎027・221・8623)へ。

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