《旬もの》りのはうす(常陸大宮市) 生活彩るハーブ栽培加工

茨城新聞
2018年7月15日

料理や香料など暮らしを彩るハーブ。常松則夫さん(60)、典子さん(60)夫妻はハーブに魅せられ、千葉県から自然豊かな常陸大宮市に移住。「生ハーブ&リラックス りのはうす」を立ち上げ、農薬を使わず主に有機肥料で育てた生のハーブを食品やクラフトに加工し、販売する。典子さんは「食べるだけでなく癒やしにもなる。健康や美容と幅広く役立つ。香りの効能もさまざま」とハーブの魅力を話す。

夫妻は日立市出身で高校の同級生。都会暮らしの中、庭付きの公団住宅や市民農園でハーブを育てるようになった。郊外の広い場所で栽培したいという思いが募り、土地を探した。移住先は「山の間から差す夕日がすてき」と一目で気に入った。千葉県から通う生活を5、6年続け、2002年に移住。粘土質の土地を15年かけハーブ栽培に合う土壌に改良。以前からやりたかったハーブの仕事を形にしないと悔いが残ると、11年の東日本大震災を機に、りのはうすを始めた。

庭でミントやセージ、タイムなど100種類以上のハーブや果樹を育て、畑で珍しい野菜も栽培する。生のハーブでビネガーやジャム、ドライハーブティーなどを作る。

国産米純米酢に生葉を漬け込むハーブビネガーは、印象的な色の赤バジル(ダークオパール)と華やかな香りが料理を引き立てるフレンチタラゴンの2種類。形を崩さずに乾燥して作るドライハーブティーは湯を注ぐと葉が広がる様子が楽しめる。酸味のあるルバーブのジャムは赤や緑、果物と合わせたものなど5種類を作る。「ロゼジャム」はリンゴジャムにローズゼラニウムの生葉を一晩漬け込みバラの香りと成分を移すという。

店舗は構えず、道の駅常陸大宮「かわプラザ」の直売所やイベントなどにハーブ加工品や野菜を出す。ハーブ加工品は通信販売も行う。

主に加工は典子さん、栽培は則夫さんが担当。ラベルは典子さんが内容を考え、現役のグラフィックデザイナーでもある則夫さんがデザインする。典子さんは則夫さんの助けを得て常陸大宮市公民館講座で栽培や料理などハーブの魅力を伝える。役割を分担しながら何事も二人三脚で取り組む。

大人2人と猫3匹、犬1匹の田舎暮らし。夫妻は「大変」と笑うが、ハーブのある暮らしを満喫しているようだ。

■メモ
生ハーブ&リラックス りのはうす
▽住所は常陸大宮市国長1436の1
▽(電)0295(56)2612

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