泳げる霞ケ浦アピール 9月 トライアスロン大会

茨城新聞
2018年7月14日

土浦市の霞ケ浦と沿岸で9月、トライアスロン大会が初めて開かれる。霞ケ浦は近年、汚れた湖のイメージが強いが、水質改善で泳げる場所が増えていることから、主催する実行委員会が開催を決めた。10月に本県で開かれる世界湖沼会議を控え、実行委は「泳げる霞ケ浦をアピールし、地域活性化にもつなげたい」と意気込んでいる。

霞ケ浦は、沿岸に砂浜や水浴を楽しむ湖水浴場が13カ所あったが、水質悪化に伴い1974年までに全て閉鎖された。汚濁の指標となるCOD(化学的酸素要求量)は79年には1リットル当たり10・9ミリグラムだったが、2016年度は7・2ミリグラムと改善し、水質保全計画で掲げる目標値7・4ミリグラムを0・2ミリグラム下回った。国の遊泳基準のCOD値8ミリグラムも下回った。

社団法人霞ケ浦市民協会の沼沢篤主任研究員は「かつての湖水浴場周辺では、泳げる水質レベルに回復している」と指摘する。

今回は霞ケ浦に面した土浦新港の湾内でスイム競技を行う。昨秋に試泳した県トライアスロン協会は「他の大会と比べても水質は悪くないレベル」と話す。

大会は9月23日午前9時半から、同市川口の土浦港をメーン会場に開かれる。土浦青年会議所と県トライアスロン協会が主体となり実行委をつくる。

種目は、トップ級の競技者が出場する「レギュラーの部」がスイム1・5キロ、バイク33キロ、ラン10キロ。一般参加者の「チャレンジの部」がスイム1キロ、バイク15キロ、ラン7キロなど。募集人数は計380人。

スイムは土浦港内を1~3周、バイクはつくば霞ケ浦りんりんロードを使い市東部のハス田がある田村町地区などを2~4周、ランは川口運動公園周辺の周回コースを1~3周する。

会場では、霞ケ浦の魚や土浦周辺のレンコン、ナシといった特産物のPRテントも出して大会を盛り上げる。同会議所の松井泰信実行委員長(36)は「水質浄化への市民の意識付けと地域の魅力発信の場にし、泳げる霞ケ浦をアピールするきっかけにしたい。将来的には霞ケ浦湖内のスイムや霞ケ浦1周のバイクも加えたフルトライアスロン大会もできれば」と期待している。

県内では現在、潮来市の常陸利根川でトライアスロン大会が開かれている。

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