水戸黄門漫遊一座 ご隠居とパチリ20年

茨城新聞
2018年6月2日

水戸黄門一行に扮(ふん)して観光ボランティアをする水戸黄門漫遊一座が今年、創立20年を迎えた。一座は1998年のNHK大河ドラマ「徳川慶喜」の放映に合わせ千波湖畔に徳川慶喜展示館が開設されたのがきっかけとなり設立した。以来20年間、「おもてなしの心」で観光客の記念写真に写り続ける。

座長の高島繁正さんによると、立ち上げ当初は1年間だけの予定だった。活動を続ける中で、多くの感謝の声が届き、ボランティア団体として存続した。

高島さんは「水戸を訪れる人に良い思い出をつくってもらいたい。どんな悪天候でも来てくれる人のため中止することはなかった」と話した。

水戸黄門役は草履を履くが、助さん役と格さん役はわらじを身に着ける。雪や霜がある梅まつりの時季は、わらじの底が薄く冷たさが足に染みた。それでも並んでいる客のため、「水戸を楽しんでほしい」と休憩を取らずに写真撮影に応じたこともあった。

15周年記念事業では約10人で東日本大震災の被災地、岩手県石巻市や宮城県岩沼市を訪問した。仮設住宅などに赴き、“おもてなし精神”で地域住民を元気づけた。

現在の会員は40~80代の約50人。これまでに約500人が活動に参加した。年に50回程度、梅まつりや水戸のあじさいまつり、水戸黄門漫遊マラソン大会などのイベントで活動する。要望があれば県外にも足を運ぶ。茨城空港から定期便が就航する札幌や神戸のほか、福岡などでも茨城や水戸をPRした。

平日は仕事の会員も多く、活動日は基本的に土日。着付けや化粧の準備があるため、朝早くから集まり、一日おもてなし活動を行う。着付けや化粧もメンバーが無償で対応する。衣装は約5年に1度、水戸観光コンベンション協会から提供を受ける。

2011年にテレビドラマ放送が終わり、水戸黄門を知らない人も増えた。高島さんは「これからの課題は世代交代」と話し、「水戸黄門の姿を忘れさせないようにこれからも続けていきたい」と意欲を見せた。

会は随時会員を募集している。助さん格さん役と娘役の人数が足りていないという。年会費は2千円。19日には関係者を集め、水戸市宮町のホテルレイクビュー水戸で、記念式典と祝賀会を開く。 

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