《旬もの》のむらファーム(石岡市) 味濃い平飼い卵使い菓子

茨城新聞
2018年5月27日

山々に囲まれた石岡市八郷地区にある「のむらファーム」は平飼い卵の生産販売を行う養鶏農家。代表の野村禪さん(40)は2012年、平飼い卵のおいしさを伝えようと「スイーツ工房」を立ち上げた。同ファームの卵をふんだんに使ったカステラ、プリン、ロールケーキを「たまご屋さんの手作り菓子」として売り出し、人気を集める。

平飼いの養鶏は約30年前、禪さんの父親が1000羽から始めた。会社員だった禪さんは05年、「自分で作ったものを自分で売りたい」と就農。家業を継いだ。

広々とした自然豊かな場所に鶏舎6棟が立つ。ボリスブラウン種などニワトリ約8000羽を飼育し、1日平均5000個を集卵。主にJAやさとから県内や都内の生協に出荷される。

ニワトリはケージに入れず平飼いで、鶏舎の中で自由に動き回る。暑いと場所を移動するなどニワトリ自身が体温調節を行うという。「よく動くので餌をしっかり食べ、卵の味も濃くなる」と禪さん。同JA鶏卵部会独自の非遺伝子組み換えなど原料にこだわった配合飼料を与えている。

菓子製造は妻の直美さん(41)が1人で担うため、量産はできない。禪さんは「お客さんに迷惑をかけてしまうが、量産して質や味が落ちたということにはしたくない。ほそぼそとできる範囲で作っている」。

卵の風味を出すため、香料は入れない。カステラは1回に10斤分を焼き、卵はSサイズ約100個分を使う。生地の計量から焼き上がりまでに約3時間かかる。1日に2回焼くのが限度という。たくさんの卵が入ったカステラは黄身の色そのままに、きれいな黄色に焼き上がる。

賞味期限の短い生菓子のプリンとロールケーキは注文を受けて作る。ロールケーキは主役のスポンジを味わってもらうためクリームは少なめだ。プリンは滑らかで卵の風味が濃い。

菓子作りを始めてから、菓子店などから卵の引き合いが来るようになった。「卵の良さがプロにも分かってもらえた」と2人は手応えを感じている。

卵はJAやさと園部直売所に、卵とカステラは同JA柿岡直売所に出す。来月には自宅敷地内にログハウス風の小さな直売所を本格的にオープンする。

■メモ
のむらファーム
▽石岡市瓦谷971
▽(電)0299(43)1082

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