《食いこ》手作処 かっぱ本舗(牛久市) 熟練の技、手焼きせんべい

茨城新聞
2018年4月22日

かっぱ伝説が残る牛久沼。沼のほとりに暮らした画家の小川芋銭は、好んでこの妖怪を描き「かっぱの芋銭」とも称された。かっぱの名を冠した手焼きせんべいや手作りだんごを作っているのが牛久市の「手作処(てづくりどころ) かっぱ本舗」。蔵造り風の店舗が目を引く。

店長の村松慎次さん(49)は「以前は手焼きせんべいと食品、雑貨を扱う店だったのを、父が地元の米を使ったおせんべいを作ろうと1984年に店を開いた。地産地消という言葉のない時代に先見の明があったと思う」と話す。

手焼きせんべいは、牛久市産のコシヒカリと特別栽培米コシヒカリ「うしく河童米」を使った2種類を作る。しょうゆ味は香ばしく、米の風味がしっかり感じられる。

せんべいを焼くのは母の道子さん(74)。手焼きを始めて通算約40年というベテランだ。生地の製造を委託する千葉県柏市の米菓会社が道子さんの実家で、「焼き方は父から教わった。親から引き継いだいい財産になっている」。

火であぶられた生地が膨らむと、間を置かずに裏返す作業を繰り返し、形を整えていく。「均等に焼けるように何度も引っくり返す」。そう話しながらも、真剣な表情で生地から目を離さず、返す頃合いを計っていた。焼き色が付いた後にしょうゆだれに漬け乾かして出来上がりだ。

一方、手作りの「かっぱだんご」は「県産コシヒカリを自家製粉した生新粉を使い、滑らかでもちもちに練り上げる」と慎次さん。北海道産小豆の自家製粒あんとこしあんのほか、抹茶あん、県産ピーナツペーストの落花生あんなど7種類の味が楽しめる。

手焼きではないが、市観光協会マスコットキャラクター・かっぱの「キューちゃん」を焼き印したせんべいや県産落花生のもなかなど、手土産にしたい商品が並ぶ。かしわ餅は5月中旬まで。こしあんとみそ味がある。

■お出かけ情報
手作処 かっぱ本舗
▼住所は牛久市田宮町45の10
▼営業時間は午前9時~午後7時
▼定休日は木曜
▼(電)029(873)8760

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