名刀や武具 一堂に 一橋家の資料展 県立歴史館

茨城新聞
2018年4月3日

県立歴史館(水戸市緑町)の一橋徳川家記念室で、武具・刀剣展が開かれている。御三卿(きょう)の一つで将軍家の身内に位置付けられた一橋家には第一級の工芸資料が残された。会場には刀剣、弓馬の道具、刀装金具、文書の計37点が並ぶ。伝来や製作技法、デザインの意味について解説している。5月6日まで。
 
 一橋家は、8代将軍徳川吉宗が四男宗尹(むねただ)に屋敷を与えたことから始まる。吉宗が将軍家伝来の名刀を宗尹に贈った。以降も歴代当主の就任時に刀剣が持ち込まれた。
 
 「刀銘大和(やまとの)守(かみ)源(みなもとの)泰信(やすのぶ)」は、宗尹がよろいを初めて身に着ける儀式「具足初」の時に贈られたもの。吉宗の郷土である紀伊の刀工の作品。
 
 今回の展示で最も古いのが鎌倉時代中期の「太刀 銘 定利」。一橋家10代当主で元尾張藩主の茂栄(はるもち)が尾張徳川家から持ち込んだ。優美に反った姿が特徴。
 
 江戸時代の鑑定書「折り紙」も紹介した。鎌倉末期-南北朝時代に製作された刀「貞宗」には大判350枚の価値があると記されている。現在の貨幣価値にすると1億円超になる。
 
 刀装金具のコーナーには、室町幕府に仕えた金工・後藤祐乗の作品がある。江戸幕府御用の金工一家・後藤家の始祖となった。
 
 螻蛄(おけら)目貫は精巧な作品で、土中を進み水上を泳ぎ空を飛ぶことができる昆虫のオケラをモチーフにしている。同館は「多芸多才さが題材になった理由ではないか」と推測する。
 
 同館は2017年度、一橋家収蔵品の資料と付随する書類を再確認し、調査研究を進めた。今回は中間報告としての展示会となった。
 
 一橋家12代当主の徳川宗敬(むねよし)氏が1984年2月、総数6千件に上る資料を県立歴史館に寄贈。87年10月に記念室が開設された。

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