VR活用し古墳ガイド 下野市、3Dで再現リアルに体験

下野新聞
2018年3月28日

 【下野】広瀬寿雄(ひろせとしお)市長は27日の定例記者会見で、仮想現実(VR)を活用した古墳ガイドシステムを30日から公開すると発表した。市内に点在する古墳時代後期の首長の墓と考えられる古墳を観光資源として生かすため、築造された当時の姿をコンピューターグラフィック(CG)で復元。スマートフォンやタブレット端末の専用アプリケーションで閲覧できる。

 文化庁の「歴史文化基本構想を活用した観光拠点づくり」事業の一環として制作。現地の特定のポイントに立ち、専用アプリ「ストリートミュージアム」を使うと、3Dで再現された古墳の姿が表示される。

 利用できるのは三王山古墳、下石橋愛宕塚(あたごづか)古墳、機織形埴輪(はたおりがたはにわ)が出土した甲塚(かぶとづか)古墳など8カ所。三王山、甲塚両古墳では上空から見た様子、丸塚古墳では横穴式石室内部もそれぞれCGで楽しむことができる。

 古墳ごとに文字や音声によるガイドも収録。英語の解説も選択できる。

 市内には大型古墳や古代寺院などの史跡が多く存在することから、市では「東の飛鳥」と位置づけ、総合的な整備や活用を推進。昨年は戦国時代に焼失したとされる下野薬師寺をカラーCGで復元し、無料アプリで公開するなど、文化財の観光資源化に力を入れている。

 広瀬市長は「市を訪れた方に想像力を膨らませていただくためのツール。市内の文化財巡りに役立てていただければ」と話した。

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