スカシユリ復活へ 東海村がプロジェクト

茨城新聞
2017年8月30日

かつては東海村内の沿岸部一帯で見られたにもかかわらず、一部でしか見られなくなった村の花・スカシユリを復活させるプロジェクトを村が始動させた。現在確認できるのは、一般市民が自由に出入りできない原子力関連施設の敷地のみで、村の象徴のはずが“幻の花”になりつつある。村は専門家などによる組織を立ち上げ、DNA型など科学的に生態を研究し、増殖させる。

スカシユリは6月末から7月にかけて咲き、オレンジ色の花びらが特徴。県内では沿岸部に生息し、東海村内でも海岸の砂浜などに群生していた。村制30周年を記念し、1985年に村の花に制定された。

村内では二十数年前まではごく普通に見られたものの、以降は減少し続け、今は日本原子力研究開発機構の敷地にしか群生していない。そのため村民が、自生したスカシユリを目にできる機会は同所で毎年7月に1回行う村による観察会だけだ。減少した原因は、はっきりと分かっていない。

村ではこれまでも、スカシユリの球根を移植して増殖させようと試みたが、目立った成果は出なかった。そこで、今回は大学教授を加え、村と自然調査団らによる実行委員会を発足させた。スカシユリのDNA型を解析するなどして、適した土壌や減少原因などを本格的に調べる。

本年度は調査・研究し、来年度に報告会やほ場を整備し、ボランティア組織もつくる予定。

同課の担当者は「村民誰もがスカシユリを目にできる環境を目指し、村民を巻き込んだ増殖事業にしたい」と話す。

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