《まち歩き・里歩き》スタート 道の駅「八ツ場ふるさと館」 (長野原町林) 新しい街に活気

上毛新聞
2015年9月30日

八ツ場ダムの建設工事が進む長野原町。工事現場周辺は豊かな自然が残る一方、ダム建設に伴う代替地整備などで景観はここ数年で大きく変化している。道の駅「八ツ場ふるさと館」を発着点に移り変わる街並みを散策した。
道の駅は2013年4月に開業。地元産の新鮮な野菜や加工品を取り扱う販売スペース、地場産食材を使った郷土料理を提供する食堂があり、昨年は約75万人が訪れた。施設内には林地区から湧き出る「かたくりの湯」を楽しめる足湯があり、連日多くの親子連れでにぎわっている。
道の駅南東に架かる不動大橋を渡る。右手に見えてくるのが、全長約90メートルの不動の滝。不動沢の渓流を3段に流れ落ち、橋の上からは中下段部分の約50メートルを眺めることができる。秋の紅葉時は、滝を囲む木々が赤や黄に染まり、絶好の撮影スポットとして人気を集めている。
東へ700メートルほど進むと、昨年10月に開業したJR川原湯温泉駅が見える。れんが調のモダンな外装が特徴の駅舎やガラス張りのエレベーターが目を引く。線路沿いには薄紫色の花が咲き、吾妻線のオレンジと緑色の車両とのコントラストが楽しめた。
駅から東に約500メートル歩き、川原湯温泉のシンボル、旧王湯会館へ。同温泉は源頼朝が浅間狩りの際に立ち寄って入浴したという言い伝えがあり、建物正面には源氏の家紋である「笹竜胆(ささりんどう)」が掲げられている。閉館した今も多くの観光客が訪れている。
県道林岩下線のトンネルを抜け、川原湯地区の代替地のにある新王湯会館にも立ち寄った。入り口横に旧会館と同じ笹竜胆の家紋があり、中には湯かけ祭りで実際に使われている木おけが展示されている。二つの露天風呂があり、職員の干川弘枝さん(54)=写真=は「軟らかい泉質がとても気持ちいい。ぜひ一度入ってみて」と勧めてくれた。
真新しい住宅が立ち並ぶ代替地を散策した後、昨年10月に開通した八ツ場大橋を渡った。橋の上からは八ツ場ダムの工事現場と吾妻渓谷が一望でき、壮大な絶景に思わず息をのむ。10月中旬には紅葉シーズンに入るといい、町観光協会は「八ツ場大橋から眺める吾妻渓谷の紅葉は人気が高い」と教えてくれた。
ダムの工事現場に近づくと、小高い丘が見えてくる。今月2日に利用が開始されたばかりの展望台「やんば見放台(みほうだい)」だ。高さ約18メートルの最上部からは、八ツ場大橋や川原湯地区が見渡せる。すぐ横の工事現場では重機による掘削作業が行われ、完成に向かって一歩一歩工事が進められていた。
(中之条支局 後藤遼平)

【コースの特徴】「キッチン 赤いえんとつ」 「ダム」眺望と自慢の味
1周5キロほどで、ほとんど起伏がない。道の駅が貸し出している自転車で回ってみるのも面白い。

【寄り道したら】
川原湯地区の一角にある食堂「キッチン 赤いえんとつ」は、店名の通り赤い煙突が目印だ。旧川原湯温泉街で地元住民や宿泊客に親しまれてきた飲食店「旬」を営業していた水出耕一さん(61)が、代替地への移転を機に店名を変えて昨年12月にオープンした。
お薦めは「豚ロースのソースカツ丼」(850円)=写真。120グラムの豚ロースを丁寧に揚げ、自慢のソースで味付けした一品はボリューム満点。ご飯との相性が良く、さらっと完食することができる。「豚ロースのカツカレー」(1200円)も人気という。
設計にこだわったという店内からは八ツ場ダムの工事現場が見渡せ、完成後にはダム湖が一望できる。夜はアルコール類も提供しており、水出さんは「気軽に寄ってほしい」と話している。
午前11時~午後3時、午後5時~午後9時。木曜定休。問い合わせは同店(☎0279・83・2552)へ。

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