一番列車、汽笛一声  東武鬼怒川線 SL大樹営業運行

下野新聞
2017年8月11日

 東武鉄道の蒸気機関車(SL)「大樹(たいじゅ)」の営業運行が10日、東武鬼怒川線で始まり、始発駅となる下今市、鬼怒川温泉の両駅で出発式典が行われた。

 同社がSLを運行するのは約半世紀ぶり。SLはJR北海道から借り受け、乗務員研修は真岡鉄道で行うなど、全国の鉄道各社から協力を得てきた。

 下今市駅の式典で根津嘉澄(ねづよしずみ)社長は「SL復活運転事業が日光・鬼怒川エリアはもとより、東北エリア活性化の一翼を担う恒久的観光資源として育つことを願っている」とあいさつ。来賓の吉野正芳(よしのまさよし)復興相は「日光市、東北の観光地としての役割が高まる」と述べた。

 その後、石井啓一(いしいけいいち)国土交通相や福田富一(ふくだとみかず)知事らも加わりテープカット。午後0時26分、来賓や関係者を乗せた大樹の「祝賀列車」が鬼怒川温泉駅に向けて出発した。

 下今市駅に詰め掛けた大勢の家族連れや鉄道ファンは写真を撮ったり、手を振ったりして大樹を見送った。折り返しで鬼怒川温泉駅を出発した「一番列車」には一般客が乗車。夫婦で乗った日光市川室、自営業種岡孝之(たねおかたかゆき)さん(58)は「速度がゆっくりで景色がよく見られた。たまに聞こえる汽笛の音でのどかな気分になりました」と笑顔を見せた。

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