好文亭のふすま絵修復へ初搬出

茨城新聞
2017年7月4日

偕楽園(水戸市)の好文亭のふすま絵を修復するため、搬出作業がきのう、行われた=写真。修復を監修する東京芸大大学院の荒井経准教授(49)が立ち合う中、絵の具が剝がれないよう、6枚12面を慎重に緩衝剤で包み込んだ。水戸市五軒町の工房で、来年度までに計96面を修復する。

運び出されたのは、桜の間と躑躅(つつじ)の間を区切る4枚と、紅葉の間の2枚。桜やツツジ、紅葉が華やかに描かれている。劣化状態を確認し、修復技法については監修者や県と協議する。今回の分は9月末には好文亭に戻す予定だ。

荒井准教授は「約50年経て紙が裂け、顔料が剝落している所がある。今の状態を何十年先まで保てるよう修復したい」、修復工房の寺門泰三さん(58)は「担当できて光栄。仕事を終えてもずっと見守っていきたい」と意欲を見せた。

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