草津・湯畑 国名勝に 県内8件目 誘客に追い風 

上毛新聞
2017年6月19日

国の文化審議会は16日、草津温泉の湯畑(草津町草津)を名勝=ズーム=に指定するよう松野博一文部科学相に答申した。近く答申通り告示される見通し。県内の国名勝は8件目となり、2000年に指定された大名庭園の楽山園(甘楽町)以来、17年ぶり。温泉地関連では「別府の地獄」(大分県別府市)に次いで2例目となる。本県を代表する観光地、草津温泉のシンボルと位置付けられる湯畑の名勝指定は誘客への追い風になりそうだ。

湯畑は、草津温泉の中心部に位置する源泉地で、約52度の強酸性の源泉を毎分4千リットル湧出する。源泉を冷ます7本の木製の湯樋や湯滝、滝つぼで構成され、面積は約1100平方メートル。旅館や共同湯など町内80カ所以上に湯を供給している。
内部に徳川幕府8代将軍、吉宗への献上湯をくみ上げたとされる「御汲上(おくみあ)げの湯枠」が残る。1975年に芸術家の岡本太郎さん(11~96年)らの設計で石柵が設けられた。
湯もみや時間湯など独特の湯治文化を形成したほか、草津を象徴する他に例のない景観で、観賞上の価値が高いと評価された。
町は2014年度、有識者でつくる調査指導委員会を設置し、名勝指定に向けた調査を実施。委員を務めた県文化財保護審議会副会長の村田敬一さん(68)は「江戸時代には湯畑の内部に入浴できる場所があった。単なる源泉ではなく草津温泉の始まりの地で、日本の温泉文化の歴史を物語る貴重な場所だ」と説明している。
草津温泉は、室町時代の15世紀後半には温泉地として広まり、大名が訪れるなど湯治場として栄えた。近年はおよそ年間300万人が訪れている。
湯畑を含めて告示後の国名勝は408件となる。県内では楽山園のほか、妙義山=富岡市・下仁田町・安中市、躑躅(つつじ)ケ岡(ツツジ)=館林市、吾妻峡=東吾妻町・長野原町、吹割渓ならびに吹割瀑(ばく)=沼田市、三波川(サクラ)=藤岡市、三波石峡=同=が指定されている。
文化審議会は同日、旧石器時代の存在を明らかにした岩宿遺跡(みどり市笠懸町阿左美)について、同市教委の発掘調査で石器5点が見つかったとして、東側の約2千平方メートルを史跡に追加指定するよう答申した。追加指定後の面積は約18万9千平方メートルとなる。

【ズーム】
名勝 史跡、天然記念物と並び、文化財保護法に規定される「記念物」。庭園、峡谷、山岳、温泉などで芸術上または観賞上の価値が高いものを国などが指定し、保護する。現状を変更する行為に許可申請が必要となる一方で、維持管理費や整備費が補助の対象となる。史跡は、貝塚や古墳といった遺跡で歴史上または学術上価値の高いもの、天然記念物は動物や植物、地質鉱物で学術上の価値が高いものを指定する。国指定で特に重要とされると特別名勝、特別史跡、特別天然記念物となる。

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