「八百屋お七」復活 からくり保存会が上演 桐生

上毛新聞
2017年5月16日

からくり人形の保存と舞台の復元などに取り組んでいる「桐生からくり人形芝居保存会」(石関博会長)は13日、桐生市の有鄰館で「吉祥寺恋之緋桜(こいのひざくら)」(八百屋お七)を56年ぶりに披露した。石関会長は「動くからくり人形を伝統としていつまでも残したい」と思いを語った。
同会によると、人形芝居は桐生天満宮の御開帳(臨時大祭)の飾り物として披露され、町内ごとに上演されたという。1961年を最後に臨時大祭が行われなくなり、人形芝居も姿を消した。
八百屋お七は、江戸の大火で、お七が避難先の寺で吉三郎と出会い恋に落ちる物語。日本芸術文化振興会の助成事業の一環で、約1年かけて復活させた。頭と衣装を制作した同市の田畑恵美子さん(68)は「顔の表情や着物にこだわった。動く人形が見られて喜びもひとしお」と笑顔だった。
同会は、市内に保管されていた人形を基に、複製した人形で忠臣蔵や巌流島など6演目を上演。第1、第3土曜日に上演しており、20日に有鄰館で八百屋お七を上演する。

 

【写真】1年かけて複製したからくり人形

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