《まち里歩き》スタート地点 中之沢美術館(前橋市粕川町中之沢) 芽吹きの森でアート

上毛新聞
2017年5月14日

前橋市の粕川地区は赤城山の麓に広がる自然豊かなエリア。20日には今年で20回目を迎える「粕川アートフェスティバル」(同実行委主催)が始まる。木々が芽吹き始めた自然の中を気ままに散歩した。

 
森の中にひっそりとたたずむ中之沢美術館。彫刻家、島田忠幸さんの個展「プリニウスの動物達」(6月25日まで)に立ち寄った。アルミニウムでできたサイやシマウマの親子が迎えてくれた(❶)。同美術館代表理事の三谷えり子さん(66)は「日常とは離れた空間でリフレッシュしてほしい」と笑顔で話してくれた。


東へ歩くとクワガタの角の彫刻が飾 られた「つくし工房」があった。漆喰(しっくい)壁のギャラリーには、市内在住の作家、田村松嶽さん(61)らが手掛けた木の棚にマグカップや器などかわいらしい陶芸作品が並んでいた(❷)。敷地内には窯もあり、予約をすれば陶芸体験もできるそうだ。


鮮やかなレンギョウの花に誘われて龍願寺へ到着(❸)。蚕室として使われてきた古民家を改修して20年前に開山した寺は、奈良県の長谷寺を本山とする。住職の小林妙澄さん(69)が16年前から母親のためにボタンを植え続け、今では「ぼたん祭り」が開かれる名所だ。今年は6~14日という。


「珈琲豆焙煎(ばいせん)Kaffa」を営む金沢和志さん(55)、陽子さん(49)夫妻に会った。専用の部屋で半世紀前のアンティーク機械を使い、コーヒー豆を焙煎している(❹)。「豆の色や触った手の感覚が頼り」と陽子さん。特別に入れてもらったコーヒーは酸味が少なく大人の味。ネット販売のほか、県内外のイベントなどで移動販売を行っている。


降り注ぐ日差しが暖かい。道を下ると「白バラ販売中」の看板を発見。広さ約2000平方メートルのビニールハウス内で、赤城M ’sローズ代表の樋口修一さん(67)が今年入社の栗原慧さん(26)にバラの育成方法を指導していた(❺)。同社のバラは4月に県花品評会で知事賞を受賞したばかり。出荷を待つ大ぶりの白バラ。つぼみが開く時が楽しみだ。


歩いて5分の「チーズ工房スリーブラウン」へ。飼育するブラウンスイス牛の新鮮なミルクを使った手作りチーズが評判。「牛を飼ってチーズ工房を開く」という夢をかなえたオーナーの松島俊樹さん(40)。「みそやしょうゆを付けてもおいしい」と妻の薫さん(39)が教えてくれた(❻)。早速試してみよう。


同フェスティバルは中之沢美術館、つくし工房、チーズ工房スリーブラウンを含む約15団体が参加する。すてきな祭典の開催に心が弾む。
(文化生活部 水村希英)

≪コースの特徴≫
高低差のある7.3キロ。歩きやすい服装で。スピードを出す車に注意。

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