平飼い卵で濃厚プリン 環の花(常陸大宮市)

茨城新聞
2017年4月23日

山里ののどかな風景が広がる常陸大宮市美和地区にある小さな農園「環(わ)の花」。自然の中で育った平飼い有精卵と、規格外の卵で作ったプリンで知られる。

農園を営むのは水戸市出身の宮永憲治さん(47)。都内で洋服デザインの仕事をしていたが、「新しいものを作り続けなければならない世界」に違和感を抱くようになり、「持続可能な農のある暮らし」に興味を持った。栃木県にある「有機農業」の塾で2年間住み込みで学んだ。養鶏を担当した経験から、自宅と鶏舎が近いなど条件に合った農業ができる場所を探し、同地区にたどり着いた。移住して9年目になる。

開放的な鶏舎は年齢別に四つに分かれる。ケージに閉じ込めず地面で育てる平飼いで、「ボリスブラウン」という鶏約300羽を育てる。茶色い羽の雌に白い雄が何羽か交じる。「コケコッコー」。元気な鶏の鳴き声が聞こえる。鶏舎の戸を開けると、隣の運動場に一斉に飛び出した。草をついばみ、伸び伸びと動き回る。

県産の小麦や大豆、米ぬかにカキ殻や魚粉などを自家配合し発酵させた飼料で育てる。産まれる卵は「自然な卵黄の色、薄いレモンイエロー」をしている。

「健康な鶏を育てようというのが第一。健康な鶏から健康な卵が産まれる。その結果(卵が)おいしいと言ってもらえたらいい」

「平飼い有精卵プリン」作りは6年前から始まった。きっかけは「鶏が年を取ると卵が割れやすかったり、産卵率が下がったりして経営が成り立ちにくい。経済寿命は1年半~2年といわれる。年を取った鶏の規格外の卵を加工することで、もう少し長生きさせられる」という思いから。完成までに3、4カ月かかったという。「通常より卵が多めに入るので濃厚な味わい。ほかにきび砂糖、牛乳、生クリーム。添加物は入れていない」。ゴールデンウイークを前に、「環の花プリン」に商品名を変えることにした。

同じく連休を前に、新作「環の花プリン+(プラス)」が加わる。「ワンランク上の高級感ある味わい」を目指し試行錯誤した。「卵黄の割合を増やし蜂蜜を加え、さらにこくと風味を出した」という自信作。

卵とプリンは「会員制で、常陸大宮-水戸間のルート限定で個人配達する」ほか、常陸大宮市内の道の駅などで販売する。

農業を始めた頃と環境に変化もあった。現在、妻と共に、5歳と3歳の双子の子育てに忙しい。そのため「鶏の堆肥を使った有機野菜」は一時休んでいるという。「バランスを取りながらやっていきたい」。無理せずゆっくり自分のペースで歩んでいく。

■メモ
環の花
▽(電)090(8173)5456宮永さん
▽取り扱い場所
常陸大宮市岩崎の「道の駅常陸大宮・かわプラザ」、同市鷲子の「みわふるさと館北斗星」(道の駅みわ)、同市小舟の物産センター「かざぐるま」、水戸市大工町の八百屋「兎」、同市のパンヤ・クルート米沢店(卵のみ)

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