県大洗水族館15周年 サメとマンボウ、人気支え

茨城新聞
2017年4月2日

大洗町磯浜町のアクアワールド県大洗水族館(石橋丈夫館長)が開館15周年を迎えた。日本一を掲げるサメとマンボウの展示を目玉に、これまで延べ1700万人が訪れるなど順調な歩みを続けてきたと言える。一方、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の県内全線開通に伴い、来館者の地域幅は広がる見通しで、施設間の競争も激しくなるなど、取り巻く環境は刻々と変化することが予想される。差別化など先を見据えた運営が求められそうだ。

現在の水族館は、1952年に開館した県立大洗水族館が前身の3代目。全面的に建て替え、2002年3月21日に現在の名称でオープン、「展示」「普及」「研究」と三つの役割を担う総合ミュージアムとして新スタートを切った。東日本大震災で一時休館を余儀なくされた11年度を除き、年間の来館者はコンスタントに100万人を突破。県外からの来館者やリピーターはいずれも約7割を占め、「他の水族館と比べても高水準」(石橋館長)にある。

こうした高い集客率を支えているのが、ともに日本一を掲げるサメとマンボウの展示だ。

「茨城の海は暖流と寒流が交わり、双方の海流に生息するサメが捕獲できる特色を生かそうとした」。2代目時代から20年以上、サメを中心に魚類の飼育を手掛けてきた柴垣和弘さん(46)はサメ日本一のきっかけを振り返る。

リニューアル前は展示ゾーンに小型水槽しかなかったため、大型のサメはバックヤードの水槽で試験的に飼育するだけだったが、ここで培われた飼育のノウハウは次代へ受け継がれた。リニューアル当初、約40種だったサメは55種に拡大。柴垣さんは「15周年はサメの成長スピードからすれば短い。今後も前例のない種類の繁殖などを続け、『サメといえば大洗』のイメージを強めたい」と将来を見据える。

もう一つの売りのマンボウも、本県沖で取れることを生かして展示。現在、公開されているマンボウ7匹のうち6匹が県産だ。飼育を担当する江美敦子さん(35)は「マンボウはとても知名度の高い魚だが、茨城でも捕獲されることはあまり知られていない」と指摘、「展示が『茨城にもマンボウがいるんだな』と思うきっかけになれば」と力を込める。

サメとマンボウはともに飼育が難しい部類に入り、細やかなケアが欠かせない。いずれも個体に識別番号を付けるなどし、それぞれの性格・個体差に応じて飼育している。石橋館長も順調な集客を「飼育員やスタッフの熱意」と分析する。

一方で課題も見え始めた。2月26日の圏央道県内区間の全線開通だ。都心部を経ずに千葉から神奈川まで5都県がつながったことで、これまで来館者のメインエリアだった北関東に加え、埼玉県や東京都などからの増客が見込まれる。これに伴い、従来競合しなかったほかの水族館がライバルとして浮上することも予想、差別化を図る必要性が出てきたためだ。

石橋館長は「具体化には至っていないが、新たな目玉を検討している。他館と差別化し、埋没しないよう、心に残り居心地の良い水族館に向けて努力する」と話した。 

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