交流、移住体験の場に 潮来の古民家「磯山邸」

茨城新聞
2017年3月20日

明治時代の木造古民家「水郷旧家『磯山邸』」(潮来市潮来)の耐震改修工事が完了し、19日に市民に公開された。市民や観光客の交流拠点のほか、移住体験で宿泊できる場など多目的施設として運営される。同日、竣工記念式典が開かれ、原浩道市長は「にぎわいを創出できる新たな拠点になれば」と話した。

磯山邸は、所有者から2008年に寄贈され、市が管理する日本家屋。敷地面積は約600平方メートルで、家屋の広さは約106平方メートル。かつて水運の要衝として栄えた前川近くにあり、現在市が整備を進めている津軽河岸跡もすぐそば。これまでも、室内の展示物を土間や外から見せるイベントなどで活用されてきたが、今回、国の地方創生加速化交付金を財源に耐震改修工事が行われ、宿泊できる施設に生まれ変わった。

同施設は、畳敷きの和室3室や土間があり、組子細工が施された建具や太く重厚な梁(はり)を含めて従来のものを生かしながら、外壁や内壁などが改修された。また、料理を使ったイベントや宿泊にも利用できるよう、キッチンや風呂、トイレも新設された。

今後、同施設での催しとしては、野だてやこけ玉作り体験、端午の節句、七夕祭り、お月見、秋の収穫祭、あやめまつりや祇園祭礼での活用などが既に決まっている。

式典は、多くの関係者が地元の新たな交流拠点の誕生を祝い、その後、地元住民らが興味深そうに建物内を見物した。

このほか、水郷いたこ大使で同市出身のイタリアン料理のシェフ、眞中秀幸さんが同市産米で作った「振る舞い粥(がゆ)」を来場者に配ったほか、同大使の三味線奏者、本條秀太郎さんによる演奏会も行われた。

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