水府提灯、新たな息吹 水戸の老舗・鈴木茂兵衛商店

茨城新聞
2017年1月26日

水戸市の伝統工芸品「水府提灯(ちょうちん)」を製造する老舗、鈴木茂兵衛商店(同市袴塚、鈴木隆太郎社長)は、風鈴やスピーカー、シャンデリアなどと提灯を組み合わせた、新分野の商品開発に挑んでいる。今月末には京都市内で展示会を開き、試作品を地元商業者や外国人観光客などへアピールするとともに、マーケティングの場として意見を募りながら、商品化につなげたい考えだ。

同市の水府提灯は江戸時代に水戸藩の下級武士が生活を支えるために作り始めたのが発祥とされ、岐阜市の「岐阜提灯」や福岡県八女市の「八女提灯」と並び、提灯の三大産地として知られる。水府提灯は竹ひごをらせん状に巻き上げ形を作る一般的な提灯に対し、竹ひごを1個ずつの輪に形成し、そこに「掛け糸」と呼ばれる糸を絡めて結びつけることで、提灯の強度を高めているのが特長。

ただ、近年では生活文化の多様化や葬儀の縮小傾向などに伴い、提灯の需要は減少している。こうした中で、同社は「提灯の可能性」をテーマに掲げ、他製品と組み合わせた商品開発を進めている。これまでにスマートフォン向けスピーカーや風鈴、シャンデリアなどを組み合わせた提灯を試作した。

さらに、展示会も開く。27~29日の3日間、京都市東山区のギャラリーで「すずも提灯展」を開催し、試作品や同社のデザイン提灯など約30種類を展示する。

同社広報部の鈴木紘太さんは「展示会を通して日本の伝統文化が根付く京都の飲食店や旅館、雑貨店などの経営者らに商品を知ってもらう。それだけでなく、試作品への意見などをいただき、改善点や具体的な商品化への道も探っていく」と説明。展示会をマーケティングや商品戦略の場として、今後の展開に生かす考えを示す。

このほか、日本文化に興味を持つ海外からの観光客にもPRし、将来的には海外需要も取り込みたい狙いだ。

同社はこれまで、水戸市出身のビジュアルアーティスト、ミック・イタヤさんとコラボしたデザイン提灯「MICシリーズ」などを商品化。伝統工芸品でもある提灯を、斬新なインテリア向け照明器具や芸術作品としても展開している。 

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