「八溝ししまる汁」郷土料理でPR 道の駅ばとうで無料提供も

下野新聞
2017年1月18日

 【那珂川】農作物の被害防止と野生イノシシ肉「八溝ししまる」の販路拡大を目指す町は、冬季の特産品として「八溝ししまる汁」を新たな郷土料理としPRする。地元野菜とイノシシ肉が絶妙に絡むメニュー。町は、イノシシの脂が乗っておいしい2月まで毎週日曜日午前11時から、北向田の「道の駅ばとう」で来場者に限定200食を無料で振る舞う。

 八溝ししまるは、原発事故の影響などで販売が頭打ちとなった。町は販売拡大に向けて昨年、供給量確保のため町内加工施設などで働く臨時職員を2人増員。事故後に制限した町外からのイノシシ肉搬入を再開した。現在は猟友会などの協力を得て、全頭検査で安全を確認し茂木、益子、市貝町、那須烏山市から受け入れている。

 また町では「4月29日」をシシ肉の日として、道の駅でイノシシ肉の丸焼きを提供しPR。しかし料理方法などの周知が進まないため、冬季にドングリやクリなどを食べて脂が乗るイノシシ肉を味わってもらおうと、八溝ししまる汁の無料提供を決めた。

 具材はモモ肉をメインにハクサイ、ダイコン、ゴボウ、長ネギ、ニンジンなど地元野菜を鍋で煮立てた温かメニュー。町観光協会は「北風が吹き抜ける冬の八溝地域に似合う郷土料理」と胸を張る。

 2月中旬には町内の温泉ホテルを対象にイノシシ肉料理の講習会を行い、料理コンテストも開催する予定。町農林振興課では「イノシシ肉の用途を広めたい。町内の飲食店や近隣の道の駅などと協力し販路を広げ、2020年に『八溝ししまる』の売り上げ1千万円台を目指す」と意気込んでいる。

 (問)町観光協会0287・92・5757。

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