コーヒーでまちおこし 大田原、専門店が相次ぎオープン

下野新聞
2017年1月7日

 【大田原】ここ数年、市内にコーヒー専門店が相次いで開店し、「コーヒーでまちおこし」の動きがじわりと広がっている。飲食店が独自に作製したマップは来訪者を呼び込み、市内巡りに一定の効果を発揮。コーヒーを切り口に異業種間の協力を促す取り組みも生まれており、地域活性化につながると期待される。

 9月下旬、那須烏山市野上、会社員星洋子(ほしようこ)さん(52)は自転車愛好者の仲間と大田原市内を初めてツーリングした。コーヒーを飲める飲食店が目的だった。店で「コーヒーマップ」を目にした星さんは「次回は自転車でコーヒー店を巡りたい。まちおこしになる。すてきですね」と喜ぶ。

 マップは浅香5丁目、飲食店「クローバーボヌール」が1年ほど前、作製した。A4判で、コーヒー専門店3軒と飲食店4軒を掲載。道の駅や飲食店など市内外約30カ所に常備してもらっており、作製した6万枚のうち5万枚が配布された。
 企画した同店の佐々木豊(ささきゆたか)統括支配人(51)は「コーヒーを切り口に『おっ』と思わせたい。“優しい競争”がまちを活気づける」と趣旨を話す。

 2014年9月開店の親園の秋元珈琲焙煎(こーひーばいせん)所にはマップ片手に何人も客が訪れたという。秋元健太(あきもとけんた)店主(29)は「(コーヒー店を)気分で選べるのは生活が豊かな証拠。他店はいいライバル」と効用を口にする。

 中田原の自家焙煎珈琲コトリ経営安田準(やすだじゅん)さん(37)は、佐々木さんらの考えを一歩進め、異業種の事業者が横断的に協力し合う体制を模索。市内の温泉水を使ったコーヒーのメニューに温泉施設名を明記するなど、紹介したい事業所名を「見える化」することで口コミの波及効果を狙う。

 佐々木さんは「1年たち、客を囲い込むといった誤解は最小限で済んだと思う。将来的には那須地域全体で人を呼び込めるような方向に進めていければ」と話している。

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