ブルトレ北斗星“再出発” 筑西で保存

茨城新聞
2016年9月25日

現役最後の寝台特急ブルートレインで、昨年8月に廃止された北斗星(上野-札幌)の車両が“第二の人生”を歩もうとしている。筑西市茂田のテーマパーク、ザ・ヒロサワ・シティに、電気機関車とともに寝台車など4両が保存されている。イベント時には車内が開放され、地域の活性化にも貢献。同シティは、来年春をめどに宿泊施設やレストラン、ギャラリーなどとして整備する予定だ。

展示保存されているのは、最上級個室「ロイヤル」の寝台車や食堂車、ロビーカーなど客車4両と電気機関車1両。北斗星廃止に伴い解体される可能性もあったが、歴史的価値の高い車両を地域活性化のため活用したいとする同シティがJR東日本と交渉した結果、譲渡が決まった。5両は昨年10月と12月の2回に分けて、JR東日本の郡山車両センターから陸送された。客車4両は、昨年8月の上り最終北斗星に連結されていたものだ。

同シティでことし3月に行われたイベント「梅まつり」で、電気機関車を先頭にした5両編成の「北斗星」が一般公開された。静態保存のため実際に走ることはないが、レールが敷かれホームも整備されて、8月に開催された「感謝祭」でも子どもたちや鉄道ファンらを楽しませた。

車両の整備は続けられており、電気機関車は標識灯の点灯、パンタグラフの上昇・下降、さらに汽笛を鳴らすことも可能だ。車内を見学できるのは、現在はイベント開催時に限られるが、広場が開放されている時間帯なら外観を見ることができる。

同シティは来春をめどに、寝台車を宿泊施設、食堂車をレストラン、電気機関車を子ども向けのギャラリーなどとして整備・活用することにしている。

かつて鹿島臨海鉄道を走った「マリンライナーはまなす」も、「北斗星」とホームを挟んで保存されている。さらに同シティは、現在地方鉄道で走る客車2両を来春の現役引退後に購入し、同様に再利用していく方針だ。

★寝台特急北斗星

青函トンネル開業に合わせ1988年3月デビュー。寝台車のほか食堂車、ロビーカーを連結し、最盛期は上野発、札幌発とも1日3本ずつあった。老朽化や北海道新幹線開業を理由に昨年3月に定期運行を終え、同年8月22日に臨時運行も終了。半世紀を超えるブルトレの歴史に終止符が打たれた。

地図を開く 近くのニュース