《真田の城 今昔》岩櫃(下) “忍者の里”で誘客

上毛新聞
2016年8月17日

ㅤ廃城から400年、真田氏の吾妻における拠点だった岩櫃城(東吾妻町原町)への関心があらためて高まっている。NHK大河ドラマ「真田丸」を受け、中腹に本丸跡がある岩櫃山はブームに沸く。町は4月、観光客増に対応するため、玄関口となる平沢登山口に観光案内所を設置、7月末には来場者が2万人を超えた。担当者は「秋には紅葉のシーズンにもなるので、より多く人に来てもらいたい」と、さらなる集客増を期待している。

▼新たなヒーロー
ㅤ誘客の好機を生かそうと、町などは5日、最後の岩櫃城代とされる出浦昌相を演じる俳優の寺島進さんを招いた「上州真田岩櫃サマーフェスタ」を開催。寺島さんのトークショーのほか、武者行列も行われ、全国から集まった歴史ファンが忍者の衣装や甲冑(かっちゅう)を身に着け町中を練り歩き、盛り上げた。
ㅤ7日には、出浦が徳川家康の暗殺をもくろみ、屋敷に忍び込むシーンも放映され話題を呼んだ。観光案内所から300メートルの場所には出浦の屋敷跡とされる出浦渕もあり、多くの観光客が訪れるようになっている。
ㅤ真田の忍者を統率したと伝えられる出浦。県内外から訪れる観光客からは「ドラマで興味を持った。岩櫃城、沼田城、名胡桃城と回り、イメージが湧いた」といった声のほか「真田昌幸、幸村が好きだけれど出浦も魅力的」など新たなヒーローの登場を歓迎する声も聞かれるようになった。

▼墓の案内板
ㅤ知名度がアップした岩櫃城がある東吾妻町に加え、隣接する中之条町も戦国時代に忍びとして活躍したとされる唐沢玄蕃と割田下総の墓があることから「真田忍者の里」としてPRに力を入れている。町は、歴史ファンが訪れるようになったことから、墓の所在地を示す案内板と2人の活躍を説明する看板を設置。担当者は「真田丸の影響で多くの人が来るようになったのは確かだが、忍者ゆかりの里としての知名度はまだまだなので、これからPRしていきたい」と相乗効果を狙う。
ㅤ平沢登山口観光案内所長で、真田氏歴史研究会長を務める片貝正明さん(69)は「吾妻郡内には東部中心に戦国時代、少なくとも50人の忍者がいたとされる。真田の忍者が脚光を浴びる今こそ、歴史的価値を知ってもらえれば」と強調する。
ㅤ忍者を使った情報戦で優位に立ち、戦国の世を生き抜いたとされる真田氏。出浦が城代を務めた岩櫃城周辺では、急峻(きゅうしゅん)な地形を生かし、修行が行われていたとも伝えられている。真田氏を支えた吾妻各地の“忍者伝説”を生かした誘客策が注目される。

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