瓶で「小さな水族館」 魚、水草、石で生態系 ボトルアクアリウム

上毛新聞
2016年8月5日

ㅤ暑い夏に「涼」を感じさせてくれるアクアリウムを始めてはどうだろう。熱帯魚の飼育、販売を手掛ける「前橋水族館」(前橋市文京町)で、初心者でも挑戦しやすい「ボトルアクアリウム」の作り方と手入れの方法を教えてもらった。

ㅤボトルアクアリウムは水量の少ないガラス瓶や水槽で、ヒーターやろ過装置を使わずに水草や魚を飼育する方法。手軽なのでインテリアとしても人気がある。「容器の中で小さな生態系をつくるのがボトルアクアリウム。魚と水草、底石で自然界のバランスを取るのが理想」と社長の遠藤大輔さん。
ㅤ用意するのは、ガラスやプラスチック製の容器(500ミリリットル~2リットルぐらい)と底石、水草2~4種類と魚、コケを食べる貝類、ピンセット。容器は100円ショップの保存瓶で十分だ。
ㅤ底石は水草の栽培に必要な栄養分と水の浄化作用があるものを選び、5センチほどの厚みをもたせて敷く。カラーサンドは見た目はきれいだが、栄養や浄化作用があまり無いので適さない。
ㅤ水は水道水のカルキを抜くため、バケツや洗面器などに入れ、1日置く。市販の中和剤を入れれば、すぐに使えるので便利。水は濁らないようにゆっくりと容器に注ぐ。
ㅤ水草は丈夫で育てやすい種類を選ぼう。明るい緑色で細い針のような葉を持つカボンバ(金魚藻)やマツモ、葉が赤く色づくルドウィジア、ハイグロフィラなどがお薦め。根はピンセットを使い、しっかりと埋める。遠藤さんは「丈夫な種類や組み合わせなどについて店で相談すると良い。ボトルアクアリウム用に3、4種類を少量ずつセットで販売している」と教えてくれた。
ㅤ魚はアカヒレ2匹を用意した。アカヒレはコイ科の淡水魚。丈夫で狭い容器でも飼いやすい。ポイントは元の水槽の水と一緒に容器の中へ入れること。魚が新しい環境に慣れやすいからだ。アカヒレ以外ではメダカや淡水エビもいい。ただし、金魚は水草を食べてしまうので向かない。
ㅤ最後に容器に生えるコケを食べてくれるラムズホーンという巻き貝を入れて完成。
ㅤアカヒレの餌は1~3日に1回で、最小限に抑える。与えすぎると水が濁るので注意したい。水の交換は週に1度が理想。容器の水を半分捨ててからカルキを抜いた水を足す。置き場所は水草が光合成しやすいよう日当たりが重要だが、直射日光は水温を上げてしまうので避ける。夏は水温30度以上にならないよう気を付けたい。
ㅤ自宅の「小さな水族館」から涼を感じる生活を楽しもう。