すがすがしい森の鼓動聞く 自然観察会 (沼田市・玉原高原) 

上毛新聞
2016年7月8日

ㅤ豊かな自然を学びながら、ハイキングを楽しみたい―。そんな希望をかなえてくれるのがぐんま森林インストラクター会の自然観察会。梅雨の晴れ間の一日、涼風が吹き抜ける玉原高原(沼田市)で行われた観察会に参加した。
ㅤ全国森林レクリエーション協会(三浦雄一郎会長)が認定する資格保持のインストラクター10人がこの日の森の案内人だ。参加者は5歳から70代まで、定員を大幅に上回る57人。6班に分かれてブナの森へ向かった。
ㅤ湿潤肥沃(ひよく)な深層土を好み、保水力が高く、300年で直径約1メートルになるというブナ。新緑の森は、明るくすがすがしい。「樹液の声を聞いてみますか」と、案内人が差し出した聴診器を当てる。何も聞こえなかったが、命の鼓動は伝わった気がした。
ㅤ「ヒメジオンは糖尿病に、ヨモギは胃腸に効くが、ヤマウルシはかぶれやすい」「トリカブトは心臓の薬にもなれば、毒薬にも」…。植物の不思議な生態を聞きながら歩く。スズメバチの偵察隊に出くわし、エゾハルゼミの声に笑い、ウグイスやヒガラのさえずりに耳を傾けながら、山道を登ったり下ったり。
ㅤやがて「小尾瀬」とも呼ばれる玉原湿原が姿を現した。例年なら初夏の花が咲く絶好のシーズンだが、今年は早い雪溶けの影響か、目にできたのはヒオウギアヤメやトキソウ、ワタスゲ、キンコウカ、ウラジロヨウラクなどごくわずか。ちょっと残念ではあったが、ユーモアたっぷりの案内人のトークで、自然観察を楽しむことができた。
ㅤ昼食を挟んで約5時間、約4キロの行程。後ろを歩く参加者から「次はアヤメ平ね」「来年は山菜教室にも参加したい」という楽しそうな声が聞こえてきた。
【メモ】同会は2004年に発足。森林インストラクターの有資格者ら44人が所属している。23日の「キンコウカ咲く尾瀬・アヤメ平トレッキング」をはじめ、観察会や森のめぐみ体験など10イベントを予定。参加費500円(資料代など)。問い合わせは同会事務局の泉川斌さん(電話080・3023・0322)へ。

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